チェチェン難民学校存続のための緊急募金に関する報告

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■チェチェン難民学校「ラードゥガ」存続緊急支援基金設立の経緯
 2005年の12月、教室として借りていたアパートの一室が売却されることになり、ラードゥガの子どもたちは通い慣れた家を追われることになりました。2006年度からサポートをすることになっていたNRC(ノルウェー難民評議会)はこれを機に他の学校と合併するよう強要してきました。
  ラードゥガはこの合併案を拒否しました。というのもこの案は子どもの将来を考えているのではなく、より大規模な難民学校にして「実績」を得たい大手NGOと、そこに巣食うエセ人道支援団体の都合によるものであることが明白だったからです。
  「チェチェン難民は一つ屋根の下に集おう」という美辞をならべながら、合併したら物理的に通学できなくなる大勢の子どもたちのことは何も考えられていませんでした。
 バクー市内にはいくつかのチェチェン難民学校がありますが、ラードゥガは幅広い年齢層の子どもたちを受け入れ、守っている異色の学校です。特にまともに義務教育を修了しないまま成長してしまった青年たちにとってはなくてはならないたまり場です。 行き場のない青少年たちの周りには麻薬組織やテロ組織が手ぐすねを引いているからです。
  また小さい子どもたちにとってはまだみたことのない故国「チェチェン」に浸ることができる唯一の場所でもあります。

 合併を拒否したので、NRCのラードゥガに対する支援は縮小されました。それは合併に応じた他の難民学校に比べて不当に少ない支援額でした。ラードゥガは閉鎖の危機に立たされました。ラードゥガ関係者はNRCに日参して、支援枠の増額を要求し続けました。私たち、チェチェンの子どもを支援する会はNRCからの支援が勝ち取れるまでラードゥガを守ることに決め、緊急支援金を立ち上げました。

■ラードゥガ存続緊急支援基金の経過
 ラードゥガに対するNRCの資金援助は縮小された上に、給食材料現物支給もうち切られました。NRCのサポート規定は家賃補助300ドルのほか、数人の職員の給与と給食の現物支給です。2005年の末に突然教室を追われ、やっとのことで見つけだしたアパートは家賃900ドルでした。バクーは狂乱物価が進行中で、300ドル,400ドルのアパートなどどこにもなかったのです。また通常数字を低めに出すUNHCRの統計でも難民の40%が栄養失調である、と認めているのに、NRCが支給する「栄養失調気味の子どもたちに十分な量の給食」の実態はコッペパンにチーズをはさんだもの1個とジュース1本でした。
 子どもたちに暖かい給食を出したい校長の強い希望を汲んで、家賃補助のほか、給食材料費を不定期に支給することにしました。従って本会のラードゥガに対する資金援助は予想を大きく上回ることになりました。

カスピ海で海水浴を楽しむ子どもたち
 (2006年8月)

 一方、ラードゥガ関係者はNRCに日参して支援枠の増額を要求し続けました。本会からはUNHCRやNRCの質問状などを送ってコッペパンではなく食材を支給するよう交渉しました。 
 数ヶ月にわたるねばり強い交渉の結果、ついに8月から給食材料の現物支給を獲得しました。同時に健康回復のための臨海学校費用も獲得し
ました。

 


■NRCとの交渉で発覚した重大なこと
 
コッペパン給食を食材の現物支給に変更してもらうべくNRCに交渉に行ったある日のことです。ノルウェー人のプロジェクト・コーディネータが応対に出ました。
  「あの給食はいくらなんですか?その金額で食材を支給することは出来ないのですか?」と訊ねると「必要な栄養を摂るのに大体見合った額です」という答え。具体的にいくらなのかと訊ねると「1450」と返ってきました。確かにコッペパンとジュースで1450マナト(約35円)は妥当な数字でした。
 「なるほど、あのコッペパンは1450マナトですか、でも一般より高い気がします、大量に買い入れるのですからもっと安くなってもよさそうですが」と問いかけると「1450マナトではなく1450ドルです。ラードゥガに対する1ヶ月の食料費は児童ひとりあたり22ドルですから」という、とんでもない返事が返ってきました。
 この交渉の時に、アゼルバイジャン人スタッフが伝票を操作して、高く見積もっても2000マナト程度のコッペパンサンドとジュースを4500マナト(約1ドル=120円)に改竄し、差額をつまみ食いしていることが発覚しました。
 不正がばれてこのアゼルバイジャン人スタッフは汚職を告発しないかわりにアゼルバイジャン人道支援団体から永久追放になりました。
 


 

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